複素数は不等式には使いませんと書きましたが、複素数を含んだ不等式は普通にあります。
複素数を含んだ不等式
例えば、
\[|x+y|≦|x|+|y|\]
これは、よくある有名な三角不等式の複素数版です。
任意の複素数\(x,y\)に対して成立します。
この不等式をよく見てください。
みるところは、不等号(「≦」記号のこと)の左辺と右辺です。
複素数の絶対値は、実数ですから、\(|x+y|と|x|+|y|\)は両者とも実数です。
つまり、例に挙げた不等式は複素数を比較しているのではなく、
実数を比較している式ですから、不等式として意味がある式となっています。
複素数を実数に対応させる関数
複素数を実数に対応させる関数はいろいろありますが、よく使われるのが絶対値(長さ)を返す関数、実数部分(実部)を返す関数、虚数部分(虚部)を返す関数です。
不等式に複素数が含まれていたとしても、最終的にはその複素数を実数に対応させて、比較しています。
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