学校で虚数(複素数)には正も負もないと習います。
もちろん、それはそれなりの理由があり、正解です。
たとえば、+iが正の虚数で、-iが負の虚数などと発言してしまうものなら、猛烈な反発にあうことでしょう!
虚数に正も負もない!はどこまで通じるか?
しかし、落ち着いてください。
同じ間違いであっても、
「+iが正の虚数で、-iが負の虚数」という人と、
「-iが正の虚数で、+iが負の虚数」という人とでは、
前者が圧倒的に多くありませんか?
似たような命題でありながら、それを支持する人に偏りがあるということは、
それなにの理由があるはずです。
ここで、ちょっと立ち止まって考えなおした人は、数学的センスがあるといえます。
数学では、当たり前と思っていることを、「本当だろうか?」「本当にそうなのか?」「なぜか?」
を考えることで、新しい発見があったりするのです。
プラス記号がついている数を正と言ってなにが悪い!
「+」はプラス記号、「-」はマイナス記号、だから、+iはプラス記号の虚数単位、-iはマイナス記号の虚数単位
プラス記号が付いている数が正、マイナス記号なついている数は負、
よって、+iは正、-iは負!
このような推論によって、結論を得たのだと考えることができます。
ばかなこと言うな!
はい、そのような指摘がくることは重々承知で書いております。
正とか負は+とか-の記号で決めているわけではありません。
なので、これだけの説明で、+iが正で、-iが負だと決めるのはまだまだ準備が不十分であります。
ですから、今のところは、+iや-iは正でもないし、負でもないとしておきます。
ですが、この考え方が、複素数でも使える不等式の皮切りになっています。
拡張不等式で解決
\(i<_i 2i\)のように拡張不等式で虚数の大小関係を示すことができます。
拡張不等式については下記サイトに説明があります。
複素数でも使える拡張不等式
拡張不等式を使うと、複素数(より一般的に代数体)でも大小比較が可能になります。 記号の定義 通常の不等号 「<」「>」「≦」「≧」 これらは、実数同士の比較で使います。 拡張不等号 「\(<_θ\)」「\(>_θ\)